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学校の紹介

「芦」(”あし”、”よし”ともいいます)は水辺に自生するイネ科の植物です。「芦原」はこのあたり一面に芦が生え茂っていたところから生まれたものと思われます。

芦は古くは綿の代わり(ほわた)に使われ、時代が下がるにつれて用途が狭められ「すだれ」などに用いられるようになりました。そんな芦からは名声を求めず、地味に生きる姿が思い起こされます。

しかし地味ながら岸辺にそよいでいるその姿は柔らかで粘り強く、素朴で慎み深い世俗にとらわれない清楚な趣があります。さらにその柔らかさの中にはたく ましく豊かな成長の力が秘められています。どんな固い地面をも突き破って伸びる生命力があります。たくましく成長する芦の姿は稲作によって生活を立てた我 々の先祖に、理想の姿として映り、また安住して生きる勇気を与えたことでしょう。

そして若々しい芦の芽は国を創った神の名となり(「宇麻志阿斯訶備比古遅神」うましあしかびひこじのかみ)、また自分たちの作る稲もこのように実り豊かであるようにと願う心から、日本の国名(「豊葦原水穂国」とよあしはらのみずほのくに)となりました。

また西洋では芦は人間本来の本質をあらわす例えに用いられ、パスカル(フランス、1623~62年)は「パンセ」の中で「人間は自然のうちで最も弱い一 本の葦にすぎない。しかし、彼は(考える葦)である。」と書いています。考える力を持つこと、自覚する力を持つこと、そのことが人間のなにものにもまして 優れた存在になると説いています。

このようにいろいろな意味をもつ「芦原」の地名が、開校にあたり校名に採用されました。個性的でありたいとの願いが込められた校名です。